最近の若者は皆、ダメージジーンズを履いている。3年後、流行りが廃れ、多くは「ダサっ」と言って棄てられるだろう。ワタシは静かに憤りを感じる。Recently, all young people are wearing damaged jeans. Three years later, the trend will be out of fashion, and many will be discarded. I'm quietly frustrated.
氷が溶けるのは、人間たちが、バカバカもの作ってガンガン捨てるからや。
ごく少数の人間は、裁縫とリメイクに目覚めるであろうが、数年後、何万トンのダメージジーンズがボロ切れとして捨てられないことを切に願うばかりである。Very few of them will wake up to sewing and remake. I sincerely hope that in a few years, the damaged jeans will not be thrown away as garbage.
というわけで、最近様々なミシンやソーイング動画をよく視聴しているワタシは、この動画にたどり着いた。面白かった。
デニムで有名な岡山の裁縫工の職人さんたちのYouTubeチャンネル
39:46「まず普通の生のデニム作って、洗って穴開けて、リメイク屋に出してリメイクして穴塞いで、それをまた破いてリメイクして。時間もかかるし、加工費がすごい。」
環境負荷もすごそう。あなたは、なぜにそんなにジーンズにダメージを与えたいのか。
43:00 「デニム縫ってる人、手とか真っ青だよね。鼻の中とか青くなる」
「加工屋の人って、次亜塩素酸で指紋なくなる。」
「加工場の人、ブラスト(粒子状の研磨剤。噴射して表面に凹凸を付ける)とか吸うからね。」「砂吸って、インディゴ吸って、ジア( 次亜塩素酸。ブリーチ剤)吸って、コーヒーガバガバ飲んで。シぬって」「命を削りながら、俺たちはやっているんだ」
「縫う人は指飛ばしたり、つぶれたり」
「ハサミ落としたときに、手で受けてぱっと貫通して神経がとかよく聞く」
「俺足縫った。靴ごと貫通」
……。そういえば、大学時代の岡山の友人も、お父さんが刀職人で足に落ちてきて足貫通…やめます。痛い話してごめんなさい。
48:00「糸は同じなのに違うミシンで縫ったらクライアントさんに違うと言われて、60本か70本のジーンズを6時間か7時間かけて朝4時くらいまで、3人でリッパーで1本ずつほどいた。糸締まりが違うだけで、一回洗ったら一緒なんだけどな。あれはしんどかった。メーカーさんはよく見てる。」
というわけで、職人さんたちの心身の健康を圧迫しているダメージデニムとリメイク産業、細かい事にこだわりすぎ、厳しすぎる日本人に疑問を感じるワタシである。
1850年頃アメリカの金鉱山で、ゴールドラッシュか起こった。金を掘るために、デニムが流行った。一攫千金を夢見て、様々な国の男たちがサンフランシスコなどに集まった。着ているジーンズはボロボロになっても、自由と富への夢を追いかけた。炭鉱や鉄道やダムの建設現場で働き、ダメージデニムは力強い男の象徴であった。過酷な労働環境で、暴力的社会に黙って歯を食いしばる。トランプ派がグッときそうな野郎像である。次期アメリカ大統領は、またもあの性加害オヤジになってしまうのだろうか。なんとしてでもそれは阻止したい。だからやめよう、ダメージ・デニム。
と、ここまで書いてあの人も金好きだなと思った。
↑880万円。
複雑にこんがらがった世界である。
ありがとうございました。